アスペクト比
画面の横と縦の長さの比です。
テレビジョン方式により比率は異なり、日本ではNTSC方式が標準でしたので、4(横): 3(縦)の比率をとっています。
画像処理に使用されるエリアセンサーカメラもこの比率です。
従って画像処理系で1:1で画像処理を行う必要があり、入力アナログ映像信号を A/D変換する際のサンプリング周波数には注意する必要があります。
CCD等の個体撮像素子を使用したカメラでも、CCDの各受光画素でも画素サイズの横 と縦の比をいう場合がありますが、ここではテレビジョン画面の横と縦の比率を示します。
最近ではハイビジョン画面の16:9というアスペクト比を持った薄型テレビジョンも 多く使用されるようになりました。


アノード
アノード(Anode)は、外部回路から電流が流れ込む電極を指し、真空管やダイオードでは陽極をさす。
アノードと逆の電極はカソードで外部に電流が流出する電極を指します。



インターレース
飛び越し走査でテレビ画面の水平走査線の並べ方を言います。
NTSC映像信号はインターレース信号で1画面を2回の垂直走査で表示するようにし、1回目を262.5本の水平 走査で表示し、2回目はその間をぬうように262.5本の水平走査を行い、
合計525本 の水平走査と2回の垂直走査で表示する方式です。1画面をフレーム、2回の荒い画面をフィールドと呼びます。つまり2フィールドで1フレームを表示します。
それに対して1回で全ての画面信号を上から下まで全て走査(表示)する方式をプログレッシブと呼びます。



映像信号
映像信号には大別して白黒映像信号とカラー映像信号の2種類あります。
白黒映像信号は普通 被写体の明暗信号を現す輝度信号と帰線期間を示す信号、同期信号を含んでおり、複合映像信号と言います。
カラー映像信号には大きく分けて3種類の信号形式があります。


① 色信号が多重された輝度信号とそれを分離する為のカラーバースト信号を重畳した帰線期間信号、同期信号をひとつの信号にした複合映像信号。


② 輝度信号(Y)と色信号(C)を分離して、輝度信号に同期信号と帰線期間を含み、色信号に色同期信号を含んだ Y/C映像信号。


③ 赤、緑、青の色の3原色に分割したR/G/B信号といわれる映像信号で、同期信号は別信号として定義されるタイプとG信号に付加された形式があります。


信号伝送線として①は1、②は2、③は3本以上を必要としますが、画質は③が一番で②、①の順になります。




エクステンダー
エクステンダー(Extender)はスタックの製品では延長ユニットをさします。
例えばCamera Linkに対応したカメラからCameraLinkケーブルを使用して画像処理ユニットと接続を考えた時に、ケーブルの長さに比例して信号の劣化が発生するためにケーブルの長さに限界があります。
しかし設置状況によってはケーブルを長く延ばす必要がでてきます。
そのような場合に適当な距離で信号を補正して再度送り出す必要があり、そのような 場合にエクステンダーを使用します。



エコーバック
エコーバック(Echo back)とは、ネットワーク等で遠隔地にあるコンピュータ等とキャラクタ データ、コマンドのやり取りをする時に、手元の端末から送信した
キャラクタデータ、コマンドを相手がそのまま送り返してくる機能をさします。これによって通信回線を含めたネットワークで正しい入力が行われていることを確認できます。



エリアセンサ
エリアセンサは画像処理で多用されるセンサでCCD方式とCMOS方式があります。
CCD方式のセンサは電荷転送方式により
フレームトランスファ型、インターライントランスファ型、フレームインターライントランスファ型の3種類に分けられます。


①フレームトランスファ型
 CCD構造は比較的単純で受光部の開口率が大きく、蓄積部も必要なのでチップとし ては大きくなります。
 また、構造上スミア(明るい部分の上下に白い縦筋)が発生する 欠点をもっています。


②インターライントランスファ型
 CCD画素に隣接して転送部が配置される為にフレームトランスファ型CCDに比べると 開口率が低くなり、感度が劣るが転送部が遮光されスミアが少なく、
 チップも小さく 出来る為に最も多く使用されています。


③フレームインターライントランスファ型
 ①と②のそれぞれの特長を合わせ持った方式で放送局仕様の高級カメラに使用され ます。

CMOS型は各画素から信号電荷を出力線に直接読み出す方式で構造が簡単で低消費 電力という特長があります。
初期は雑音等の問題がありましたが、現在は非常に良く なっています。



エンコーダ
エンコーダ(Encoder)とは情報をある一定の規則にてデータの置き換え、あるいは別のデータに変換する装置をさします。
ハードウェア的におこなう、ソフトウェア的におこなう等がありますが、映像関係ではR/G/Bの映像信号をNTSC信号に変換したり、
原画を圧縮 したりするJPEG等があり、それぞれNTSCエンコーダ、JPEG エンコーダと言います。
これに対して、元の信号に戻す装置、ユニットをデコーダと言います。


オルタネート
交互にという意味ですが、スイッチ等の動作を大別すると、モーメンタリ動作とオルタネート動作に分けられ、押しボタンスイッチ等でボタンを押している間だけ
動作状態を維持 するタイプをモーメンタリ動作という。そして押す動作(力)を除いても動作状態を保ち続け、もう一度押すと元の位置に戻るものをオルタネート動作と言います。
LEDを点灯する 為に押しボタンスイッチを考えた場合に、押している間だけLEDが点灯し、離すと消えるのは、モーメンタリ、一回押したら手を離してもLEDは
点灯を続け、次に押したらLEDが 消えるのはモーメンタリとなります。



オープンコレクタ出力
電子回路における出力方式の一つであり、電圧や電流を信号として出力するのではなく、NPNタイプのトランジスタをスイッチのようにして出力する形式です。
出力端子はトランジスタのコレクタ、エミッタで、エミッタはグランドあるいはコモンに接続され、ベースはトランジスタのON/OFF用の
駆動電流入力として使用されている。下図のようにベース電流を流せばトランジスタのコレクタ、エミッタ間は抵抗が極めて低い状態(スイッチON)になり、
ベース電流を流さなければトランジスタのコレクタ、エミッタ間は抵抗が極めて高い状態になります。
出力のコレクタにプル・アップ抵抗を付けて+Vの電圧をかけたとすれば、トランジスタがONの時は約0Vになり、トランジスタがOFFの時は+Vになります。




階調
色の濃淡の変化、濃淡変化の滑らかさを示し、画像表現の細かさを表す尺度として用いられます。
ある色について用意された濃淡の階段の数により数値化され、階調が多ければ多いほど色彩は滑らかに表現されます。
例えば階段の数が2階調しかなければ、白と 黒の2段階しか表現出来ず、2値化の画像になります。そこに中間色としてグレーを1段 いれると3階調になります。
現在一般的なパソコンのディスプレイはR/G/Bの3原色と、それぞれの色の階調で表示していますが、それぞれの色を256階調で表現しているので、
この場合には256×256×256=1677万7216色の階調と言います。
ちなみに 現在はA/D、D/Aの性能が向上し各色に対して10bit(1024)以上の階調を持つものもあります。




外部同期方式
カメラ内部でもっているタイミング信号(同期)を使用せず、外部で生成した同期信号をカメラに入力しカメラのタイミングを外部のタイミングに合わせて
映像信号を出力させる事、 外部から入力する信号としては水平駆動信号(HD)、垂直駆動信号(VD)、HとVを 混合した複合同期信号(Composit Sync)等があります。
白黒カメラの場合にはHD/VDが 多いようですが、NTSCカラーカメラになると色の位相合わせも必要になる為に複合同期 信号で外部同期をとります。




画素
画素(pixel)は画像を構成する最小単位、最小要素を示し画像は多数の画素の規則的 配列で表示されます。
1枚の画像の大きさを示す場合に横640画素×縦480画素と いうように表現します。CCDのような撮像素子の場合には総画素数で示すことが多い ようで、
例えば33万画素(横682×縦492)という表現をします。



画像圧縮

画像を保管あるいは伝送する為に、画像の必要な情報を保持しながらデータ量を圧縮 する事です。
画像のデータ量はテキストデータ等に比べると非常に大きく、そのまま保管 したり、伝送したりする場合に、保管場所を多く取る、伝送時間が長くなる等の不利が出てきます。
その為に画像の必要な情報を保持しつつデータ量を削減する必要があり、 画像信号がもっている冗長性、そして人間の視覚特性等を考慮して
画像全体としてデータ量を大幅に削減します。方法としてはJPEG やMPEG等があります。
検査、計測等を目的とする場合には圧縮データから復元した画像を使用すると精度に 影響を及ぼす場合があるので注意が必要です。



画像データフォーマット
画像データを転送、あるいはファイルに保存するような場合に転送時間やファイル容量の関係で圧縮したり、あるいは原画データをそのままにしてファイルする場合もあります。
このように画像データフォーマットは用途に応じて一定ではないのですが、約束事と してフォーマットを決めておかなければデータの再利用が出来ない為に、
一般的に利用 されている形式があります。PICT、BMP、GIF、JPEG、MPEG、TIFなどと呼ばれる形式です。



画像処理
画像情報に対して電子工学的に処理して別の画像に変換したり、画像から何らかの情報を取り出して認識、計測を行う事。
取り出したい情報の特徴に応じて適切なアルゴリズムを考え、設定し処理します。
基本的なものとして濃淡画像を白黒2値化、平滑化、エッジ検出等があります。



カメラリンク(Camera Link)
産業用デジタルカメラと画像入力ボードを接続する規格で、従来デジタルカメラに使用されていたRS-422のパラレル信号の
欠点であった接続線数の多さと、不要輻射の 大きさを克服したインターフェースです。
そして何よりもすばらしい事はパラレル信号の 時代にはメーカー別、あるいは機種別と言って過言でないくらいに、コネクタの形状、 ケーブルの種類が異なったのですが、
この規格によって一部の特殊なカメラを除いて 殆どの産業用カメラ、画像入力ボードの接続が、このインターフェースに準拠して作られるようになりました。
規格仕様を策定したのはアメリカの自動化イメージング協会 (AIA)で、小振幅の差動伝送方式である、LVDS(Low Voltage Differential Signaling) を利用しています。

CameraLinkの基本仕様は「ベース・コンフィギュレーション」と言われて、28ビットのデータを4本のLVDSチャンネルで伝送し、現在のデータ転送速度は
最大で2.4Gビット/秒になっています。
28ビットのデータの内訳は24ビットの画像データビットと4ビットのステータスビット(FVAL,LVAL,DVAL,SP)から構成されています。
24ビットの画像データは8ビットずつ、3つのポート(ポートA/ポートB/ポートC)に分割されています。
実際の 伝送においては、4本のLVDSチャンネルで伝送しているので、28÷4=7で7ビットを 1つのグループとしてシリアライズして伝送しています。
使用されるケーブル・コネクタは 高密度ミニ・デルタ・リボン コネクタ(MDR)を使用しています。
その他にベース・コンフィギュレーションの中にはカメラを制御する為に画像入力ボード からカメラへの信号(例えばトリガー、同期信号)を伝送する為の
コントロール信号が 4本(CC1、CC2、CC3、CC4)とカメラ/画像入力ボード間の通信用ライン(SerTC/SerTFG)が用意されています。
当然のことながらコントロール信号も通信用の 信号もLVDSでインターフェースされています。

CameraLinkには更に高速、高画素の伝送を可能にする為の拡張仕様が用意されており、基本仕様である「ベース・コンフィギュレーション」に加えて、
24ビットのデータ(ポートD/ポートE/ポートF)を追加して合計48ビットのデータが伝送可能な「ミディアム・コンフィギュレーション」、その上で更に
16ビットのデータ(ポートG/ポートH)を加えて合計 64ビットのデータが伝送可能な「フル・コンフィギュレーション」があります。

*ベース・コンフィギュレーションの場合はカメラリンクケーブルは1本ですが、  ミディアム・コンフィギュレーションとフル・コンフィギュレーションは2本必要です。



CameraLink ケーブル
カメラと画像入力ボードを接続するインターフェース規格CameraLinkをサポートするケーブルを示し、ケーブルメーカ各社からカメラリンクケーブルとして販売されています。
最近はカメラリンクの基本使仕様拡張版でPoCL、そしてPoCL-Lite という規格もあり 、其々に対応したケーブルを使用する必要があるので、選択する時は注意してください。
電気的仕様としてはLVDS信号が伝送可能な特性インピーダンス100Ωの差動ペアが 入った多芯のケーブルで構成されています。
カメラリンク規格のなかに現在は「ベース・コンフィギュレーション」、「ミディアム・コンフィギュレーション」、「フル・コンフィギュレーション」の3種類がありますが、
「ベース・コンフィギュレーション」は必要ケーブル数が1本、「ミディアム・コンフィギュレーション」、「フル・コンフィギュレーション」は2本になります。
もし、「フル・コンフィギュレーション」の システムを構築するのであれば、ケーブルの選択には更に注意が必要になります。
カメラリンクケーブルの種類によっては「フル・コンフィギュレーション」に適応しないケーブルがあります。
使用するケーブルに「Camera」あるいは「Camera Side」と書いてあるケーブルは基本的に「フル・コンフィギュレーション」に使用ができないと考えて下さい。
理由はカメラリンクケーブルのなかには画像データを伝送する差動ペアとコントロール信号を伝送する差動ペアが有りますが、内蔵している全ての差動ペアが、画像データを
伝送する差動ペアと特性が同一ならば良いのですが、 ロボットケーブル化の為、細線化の為、等でコントロール信号を伝送する差動ペアの 特性と画像データを伝送する
差動ペアの特性が異なる場合があります。 このようなケーブルは基本的に「フル・コンフィギュレーション」では使用不可と考えて 下さい。
理由は「フル・コンフィギュレーション」は「ベース・コンフィギュレーション」でのコントロール信号ラインも全て画像データの伝送に使用されているからです。



カラーバースト信号
カラーバースト信号は映像信号内、同期信号の一つでNTSCやPALの複合映像信号に 重畳させた色信号復調用の同期信号です。
受像機側で正しい色に再生する為に使用され、NTSCでは色副搬送波と同じ3.5795MHzの正弦波で水平同期信号の後(バックポーチ)に8〜12サイクル分 重畳されています。



輝度
画素の明るさを示します。画像処理系では濃淡画像における画素の明るさを示し、明るさの程度は各画素が表現できる階調に対する数値として表現されます。
例えば画素が 256階調で表現できる場合には輝度は最小値黒から最大値白までを0〜255となります。



空間フィルター
画像空間内に含まれる雑音を除去したり、特徴を強調したりするフィルタで人間にとって 画像が有する情報を見やすくしたり、判定や認識を容易に行えるように
処理することです。注目する画素とその近傍の画素に、ある重み付けを行った後、それらの和をとり注目する画素のデータと置き換える。
代表的な空間フィルターとして、雑音を低減する平滑フィルタ、メディアンフィルタ、境界を強調する微分フィルタ等があります。
例えばエッジ強調することにより輪郭のはっきりしない画像を安定して2値化できる、平滑化することにより表面の傷、凸凹による照明むらの影響を除く等が可能になります。
下図に3×3の エッジ強調フィルターの一例を示します。




サブピクセル処理
画像処理で使われるサブピクセル処理とは通常の画像処理が1画素単位で処理をおこなうのに対して0.1画素単位で検出を行います。
対象物の画像信号の輝度勾配を利用し勾配を微分することにより、計算で1画素内の1/10くらいの分解能で位置検出が可能になります。
これを利用することにより高精度な位置決めや寸法測定が可能になります。



ジッター(Jitter)
電気、通信においては時間軸方向の信号波形の揺らぎを指しますが、カメラリンク関連では信号伝送においてジッターが大きいと、受信部で正確に画像データが
復調できない というような問題が発生します。
ジッターの発生原因は多種ですが、伝送中に発生する 事として、カメラリンクの信号はかなり高速化したデジタル信号で、ケーブルの特性により信号波形の
高域が失われたり、クロストークによる他信号の影響を受けたりして、立ち上がり時間と立下り時間の傾きが変化することでの位相変化もジッターの原因となります。
また、その他に電源電圧、グランド電圧の変動等も原因となります。特に伝送クロックが85MHzのような高い周波数になると、スキューの影響、そしてジッターの
影響が 出て、信号伝送が正しく行われない事があるので、ケーブルの選択、ケーブル長、そして敷設環境には注意して下さい。




シングルモード(光ファイバー)

シングルモードの光ファイバーは光を単一のモードで伝送するもので(光がファイバーの極めて狭い中心部だけを通過)遠距離通信用のガラス製光ファイバーは、
この方式が一般的です。マルチモード型と比較して以下の違いがある。

① 伝送損失が少なく長距離伝送に適している。
② コア径が細く曲げに弱い
③ 高価である。



垂直同期信号
フレームまたはフィールドの開始を示す信号でテレビにおいて画面を構成する時の垂直 方向のタイミングを計る為の信号です。
映像信号では垂直帰線期間中に正極性の映像 信号に対して負極性の信号として映像信号に挿入されています。
インターレース信号の 場合にはこの信号の位置により奇数フィールド、偶数フィールドの識別も可能になっています。



垂直分解能
1画面の垂直方向の画素数です。画像処理系では1画像の処理対象サイズとして画素を基本単位として使用します。
例えばVGAサイズであれば640(横)×480(縦)という ような表現をします。垂直分解能とは垂直あるいは縦の画素数を指します。



水平同期信号

画面の各行の開始を示す信号でテレビにおいて画面を構成する際に水平方向のタイミングを計る為の信号です。
映像信号では水平帰線期間中に正極性の映像信号に対して 負極性の信号として挿入されています。
画像処理システムではこの信号を識別して 画面の各行(水平方向)の開始タイミングを確定できます。




スキュー(Skew)
カメラリンクに関連してスキューという単語が多用されるのは、ケーブルあるいはコネクタ 等の伝送特性に関係して使用されることが多いと思われます。
クロックあるいはデータが複数の経路をたどることによって発生する、タイミングの「ずれ」をさします。
カメラリンクのケーブル内では主としてデータ伝送ライン、コントロール伝送ライン、クロック伝送ラインがありますが、其々の特性差により
ケーブル受端での到着時間が「ずれ」てしまいます。また、厳しい見方をすれば1対のデータ伝送ラインであっても、ケーブルペア、つまり
2本の線で構成されている為に同じように到着時間の「ずれ」が発生します。
メーカにより書き方が多少異なりますが、1ペア2本のケーブル間のスキューを対内伝搬 遅延時間差(Within pair skew)、其々のペア間のスキューを
対間遅延時間差(Channel Skew per chipset)と、いうような形で明記しています。単位としては**ps/m maxが 使用されています。
単位からみてもわかるように、スキュー時間はケーブル長に比例します。CameraLinkでは画像データの伝送はシリアライズされて伝送されており、
85MHz の伝送クロックの場合7×85MHz=595MHzというレートで画像データが伝送され、 受信端で同様に伝送されてきた85MHzのクロックを基準に
して復調(デシリアライズ) する為に当然のことながらスキュー時間が大きいと受信後でのデータの復調が出来なくなるので、
なるべくスキュー時間の少ないケーブルを選んで下さい。



走査方式
映像信号の方式としてはプログレッシブ(順次)走査とインターレース(飛び越し)走査の 2種類があります。
インターレス走査はアナログカメラ、テレビ、ビデオなどで長い間採用 されている方式で1画面(フレーム)を上から下まで2回の走査で構成する方法で
詳細は インターレースの項を参照して下さい。それに対してプログレッシブ(順次)走査は1画面を上から下まで1回の走査で画面構成をします。
その為にインターレースと異なり動いた部分のエッジがギザギザになるような事がなく、フリッカーを生じることもなく詳細を確認 することができます。




同期信号
映像信号やデジタル信号を伝送する際に受信側が正確に送られて来た信号を復元できるようにタイミングを取る為の信号です。
映像信号では基本的に水平同期信号と垂直同期信号の2つの信号が必要になります。放送用あるいは業務用であれば複数のカメラを 切り替えるような場合に
カメラの同期が合っていなければ、切り替える度に画面が乱れるというような事が発生します。画像処理ユニットではカメラからの信号に対して処理ユニットの
同期が異なるとカメラの画像を正確に復元して処理することが出来ません。その為にカメラからくる映像信号に対して画像処理ユニットの水平、垂直が
合わせなければ なりませんが、その為に必要な信号です。
同期を取る方法としてはカメラからくる信号に 対して画像処理ユニットが同期をとるような内部同期と、画像処理ユニットが発生する 同期信号をカメラに
入力し、カメラを画像処理ユニットに同期させる外部同期があります。



内部同期方式

画像処理システムで使用されるカメラでカメラ自身がもっている同期信号発生回路により作られたタイミングで画像信号が構成され、カメラの出力映像信号に
同期が付加された形で出力され、画像処理ユニットは同期の付加された映像信号から同期信号を分離し、分離された同期信号を基準にして画像処理ユニット内の
タイミングを合わせる事をさします。この方式は外部同期信号方式に比較して安価に構成することができます。




2値化処理

濃淡画像を2値画像に変換する処理を指します。画像信号の輝度値が指定した値 (しきい値)以上の場合に白、しきい値以下の場合には黒にする処理ですが、
しきい値 近辺に輝度信号の変動がある場合には転々とした画素が残ってしまうので、2値化処理 前に平滑化フィルター等によりノイズ除去をしたのちに
2値化処理を行うことが多いようです。実際の2値化処理ではこのしきい値の選択が、その後の画像処理に影響する為に目的や対象に合わせたしきい値を選択することが必要です。



2値画像
各画素の明るさが白か黒の2値しかない画素で構成された画像です。
通常2値画像では対象となる領域を白、その他を黒(逆も有り)にして、対象領域の測定や特徴の抽出を 行います。
2値画像は画像としても濃淡画像に比べて単純で処理しやすい信号なので 検査対象の位置、傾き、寸法、個数、面積等の処理時間も短くなります。



濃淡画像
2値化画像が白と黒のみの2階調の信号で構成された画像に対して、多階調で表現された画像をさします。
普通は白黒の濃淡を有する画像を濃淡画像と言いますが、画像処理でカラーの場合もR/G/Bの其々の信号を単色の濃淡画像として扱い、
画像処理を します。階調が2つしかない場合を2値画像といいます。


バス
画像処理装置を構成する複数機器間を接続する為の共通信号ラインです。
もとはコンピュータにおいてCPU、メモリー、周辺装置を接続する共通信号ラインをさしますが、画像処理システム内の各機器間を接続する共通信号ラインもバスと呼んでいます。
コンピュータ関係バスの規格として一般的にVMEバス、PCIバス等がありますが、 画像処理ボードでもこれらの規格化されたバスを採用している場合もあります。



ヒストグラム
濃淡画像において各画素の輝度と出現度数を示したグラフのことです。
濃淡画像において階調が256である時、対象画像のヒストグラムは横軸に輝度(0〜255)、縦軸に各 輝度の出現回数を取ります。
縦軸の出現回数を頻度と言いますが、ヒストグラムの利用法は2値化処理をする場合のしきい値を求めるような時に、よく利用されます。



歪補正
画像処理において光学系の幾何学的歪を補正する処理のことです。
対象物の形状を正しく検出する為には、それらの歪を除去する必要があります。
レンズではたる型歪、糸巻き歪等が発生し、対象物とカメラの取り付け位置における投影の関係でも発生します。
その為に格子状の図形をカメラとの位置関係が正しい状態で撮影し格子点が本来あるべき位置(座標)にくるように補正をします。



フィールド
1画面(フレーム)を構成する単位です。インターレースの項で述べたようにNTSC映像 信号は画面を上から下まで2回の走査で1画面を構成しています。
最初の走査を奇数 フィールド、2回目の走査を偶数フィールドとして、2フィールドで1フレームの画面を 構成します。



マルチモード(光ファイバー)
マルチモード光ファイバーは光が多くのモードに分散して伝送される(光がある程度の 幅を持ってファイバー内を通過する)ものなので
シングルモードのファイバーと較べると 以下の違いをもっている。

① コア径が太く曲げに強い
② 光ファイバー同士、光ファイバーと機器との接続が比較的容易
③ 伝送損失が大きく長距離伝送に向かない
④ 安価




ラインセンサ
エリアセンサが2次元のセンサであるのに対して1次元のセンサをさします。普通のカメラのようにレンズを使用して結像画面を読み取る縮小型センサと
1:1の光学系を用いて等倍の画像を読み取る密着型センサがあります。
縮小型センサはCCDあるいはCMOSが使用されエリアセンサの垂直1ラインの構造をもっており、工業計測、欠陥検出等に 利用されています。
センサ部は1ラインですが高画素数のものも多く、5000、8000画素というようなセンサもあります。
密着型センサは主にFAX、複写機、イメージスキャナー 等で使用されています。



RoHS
RoHS(ローズ)は電子、電機機器における特定有害物質の使用制限についてのEU(欧州連合)による指令であり、2006年7月に施行された。
有害物質とは鉛、水銀、カドミウム等を示します。